成功要因=成功者自身の周辺環境や時代背景が幾つか重なった結果....
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これまで成功と言うモノは、個人の資質や努力といった面に多くの焦点を当てて語られることが多かった。
本書で著者は、成功した人自身の努力の程度もさることながら、その本人の生まれた年、祖先の出身地、人種や気質、両親の職業、社会制度や法律の制定された年等々、本人を取り巻く周辺環境や時代背景に視点を拡げて観察している。そして、成功というのは、時代背景や環境等、各々の要因を個別に見れば決して重要乃至は決定的とは思えないような、小さな幸運・偶然・機会が幾つも重なった上に成り立っているという事実を、幾つかの例(1月生まれのアイスホッケー選手が多い理由、ビートルズが有名になった理由、ビル・ゲイツが成功した理由、ユダヤ系に成功した企業のtake-over関連の弁護士が多い理由、アジア系の学生が一般的に数学が得意な理由等)を挙げて述べている。逆に、各々の要因を個々に見れば全く致命的ではないような些細な過失や不運が幾つも重なると大惨事(飛行機事故や原子力発電所の事故等)に至る原因となり得ることも指摘している。
著者の本はいつも、これまでは考えても見なかったような視点から、社会現象や物事の本質を解明するという部分が非常に斬新で面白い。
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