企業の諸施策、個々人の業務、パーソナル・ライフのあらゆる面にパレートの法則を適用する
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製品の売り方、顧客管理、マーケティング施策等から、個人の仕事のやり方から、パーソナルな時間の使い方に至るまで、片っ端から80/20の法則を適用して「80%の結果を生み出している20%の活動にフォーカスする」ことを説いている。要は選択と集中に関する内容。10年程前に出版されたもののrevised版である。
特に興味深いのは「タイムマネジメントなどクソ食らえ」という部分である。即ち、「タイムマネジメントは80/20の法則を適用して、やるべきことと捨てるべき事を明確に峻別しない状態のまま、全体の生産性を上げようとしているところに、根本的な間違いがある」ということで、Don't try to manage time, but revolutionize time and multiply the 20% of your time that produces 80% of results.という感じである。確かに、これは正鵠を得ており、どこかで「どんなに忙しくても、本当に自分にとって最重要なことに費やす時間が不足することなどない」といった趣旨の言葉を読んだことがある。即ち、人間は忙しさが増すと、自分にとって重要度・優先順位の低い事柄から順に「斬り捨てる、無視する、わざとやらない、後回しにする」といった行動をとるはずであり、自分にとって最重要なことに費やす時間も無いようであれば、それは、そもそも自分の優先順位付けそのものが、何か大きく間違っている、ということなのだろう。
因みに、本書は下記の本を読んでいた際に推薦図書として挙がっていので読んだ。
↑この本は80/20 principleを個人の生き方・生活大改造の為に最大限に活かしている画期的な本である。自分がインパクトを与えることができる活動を最大限にする為に、20%の結果しか生まないが80%の時間・労力をかけている活動は大胆に止めてしまうか、或いは「他人の時間」を使ってやる、といったことも提唱している。例えば、自らの日常の事務的な雑事で且つリモートでできることを、どこかの国の人に個人秘書業務を御願いするとか、である。既に企業は製造・サービス・研究開発等あらゆる面でインド・中国・その他の国々への大々的なアウトソーシングという形でこれをやっている訳である。ならば個人レベルでやれない理由も無いということである。
更に、80/20の法則が底流にあるという意味で、上記の本と一部類似の視点があり秀逸なものがコレ↓である。
人類の歴史は自給自足で、衣食住の全てを自分達でやることから、衣料はお店で買い、他人が建設した家やマンションを買って住み、食料はスーパーマーケットで調達したり、外食したり、と多くを他人から調達する(アウトソース)方向に動いてきた。即ち他人の時間を買っている訳である。他人の時間を買うことで、自らは代替性の効かない、独創性と付加価値の高い業務にシフトしていくということである。これはごく一部であるが、他にも仕事のやり方、情報収集の仕方、時間の使い方等々で素晴らしい着眼点満載である。
同じ著者の↓コレもお買い得な内容。
共感したポイントを一部挙げると、
・アウトプットを想定しないインプットはしない
・アウトプットというのは説得力のこと
・本を読んだ後に付箋を貼ったところ、線を引いた箇所等をサッとおさらいする「黄金の5分間」の重要性
・選択の余地の無い「締切効果」で生産性を数倍上げる(30時間かかっていたものを25時間で仕上げるのではなく、3時間で仕上げるには、単なるスピードアップではなく「やり方そのもの」を変革する必要がある)
等々。
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