定石通りに忠実にやりきることから生じる強さ
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「教科書通りの戦略=定石」だけでは自社の優位性は生まれず、定石を知った上で、如何にそこに自社ならではの「ひとひねり」を加えられるか、が競争優位を生み出すうえで肝要、といった旨のことを説く本がある(例えば、以下の本。数年前に読んだ本なので内容の詳細は覚えていないが...)。
「そうだろうなぁ」と感じる。しかし実際には、100%基本を忠実に実行できているような立派な会社など在りはしない。即ち、教科書通りに定石を実行できている会社が殆ど存在しない中で、敢えて、徹底的に教科書通りの定石にこだわり、それを実践するというところが、星野リゾートの競争優位を形成しているのだと理解した。
ミッションやヴィジョンを正しく社員に周知徹底し、常にそれらに立ち返って諸施策を考える、ターゲット顧客を正しく設定する、社員が自発的に考え行動するしくみを構築する、といったひとつひとつの部分を忠実に教科書が説く通りに実行してきた様子が描写され、また、実際にどの教科書の教えを忠実に実行したのかが紹介されている。
併せて、この方法は、考え方を社員との間で共有する際に、ベースとなっている教科書を読んでもらう、勉強会をする、といった形での方法を採ることが非常に容易であるという点で、会社の諸施策を、その考え方まで含めて社員に浸透させ、且つ、同様のコンセプトや方法論を用いて社員が考え行動するような学習・成長の環境を醸成していく観点からも効果的だと感じた。
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