問題解決←そもそも問題を正しく定義しているか?(正しい問題を解いているか?)
論点思考=解くべき問題を定義するプロセス
☆☆☆☆
数年前に読んだ「仮説思考」という本が(特に編集具合が酷く)余り良い印象を持たなかったので、本書はどうか、と思いつつ読み始めたが、本書は良くまとまっており得るものが多かった。
問題解決・課題解決に於いて、そもそも正しい問題を解いているか?間違った問いに答えを出そうとしていないだろうか?というのが本書のテーマ。印象に残った部分を一部挙げると、
・物事の現象と論点とは違う(例:少子化問題とは現象であって論点ではない)。
・業界全体に当てはまるようなことは、当該企業にとっての論点には成り得ない。
・論点は人(誰にとっての論点か?)に拠って、競争環境の変化、時間の経過と共に変わり得る。
・解決できないような論点設定は意味がない
・解決した暁にインパクトがないようなものはやっても無駄 (戦略とは捨てること=優先順位付け)
例示も適度にあって分かりやすい。
book reviews, etc. Note that reviews prior to April, 2010 are mostly the same as those found at Amazon.co.jp or Amazon.com
Saturday, June 19, 2010
Saturday, June 12, 2010
[Book Review] Analytics at Work: Smarter Decisions, Better Results
前作を読めば充分。つまらない内容。
☆☆
3月半ばだったかに買って、3/2程度読んだが、あまりに退屈で投げ出してしまった本。
前作Competing on Analyticsが、一般受けしなさそうな内容にも関わらず、予想外に売れた為か(と冒頭で著者も書いている)、概論としての前著に対して、今回は続編(インプリ編)感じの内容である。この著者の本は、何となく常に、流行りそうなマネジメント・コンセプトを持ち上げるのに一役買っているような場合が多く、前著も言わばBI (Business Intelligence)の啓蒙本のような感じでもあったが、こんなものをマネジメントの主流理論のひとつとして真面目に取り扱うのは、いかがなものかと思う。
☆☆
3月半ばだったかに買って、3/2程度読んだが、あまりに退屈で投げ出してしまった本。
前作Competing on Analyticsが、一般受けしなさそうな内容にも関わらず、予想外に売れた為か(と冒頭で著者も書いている)、概論としての前著に対して、今回は続編(インプリ編)感じの内容である。この著者の本は、何となく常に、流行りそうなマネジメント・コンセプトを持ち上げるのに一役買っているような場合が多く、前著も言わばBI (Business Intelligence)の啓蒙本のような感じでもあったが、こんなものをマネジメントの主流理論のひとつとして真面目に取り扱うのは、いかがなものかと思う。
Saturday, June 5, 2010
[Book Review] Rework
"The real world isn't a place, it's an excuse. It's a justification for not trying. It has nothing to do with you."
☆☆☆☆
4月下旬ころに読んだ本であるが、本書に寄せられている賛辞の中で次のものが、この本の内容を上手く表現している"The brilliance of REWORK is that it inspires you to rethink everything you thought you knew about strategy, customers, and getting things done. Read this provocative and instructive book—and then get busy reimagining what it means to lead, compete, and succeed."--William C. Taylor, Founding Editor of Fast Company and coauthor of MAVERICKS AT WORK
要は、世の中で常識だと受け入れられている多くの考え方とはことごとく異なる方法で、自らの会社を創業し経営している著者による、常識に対する挑戦状の書である。冒頭にも、「多くの人間が一般的に持っている"世の中(=real world)というのはこういうモノだ"という常識的な認識が存在するからと言って、自分がそれと同じ世界観の中で生きなければならない必要はない。"real worldではこうだ"などと言うのは多くの場合、自ら考え斬新なことを試してみようとしない言い訳に過ぎない。それは我々が多くの企業にとっての常識とは全く異なる方法で経営をしてきて、成功していることで証明している」という旨のことを述べている。例えば、著者の主張を幾つか紹介すると、
■「失敗から学ぶ」という考え方は過大評価されている。「同じ失敗を繰り返すまい」ということは学べても、「じゃあ、どうやれば次は成功するのか」ということは殆どの場合学べない。失敗は成功する為の前提条件ではないのだ。成功から学ぶ方が効果的に決まっている。
■Planning特に長期計画などというのは自らコントロールできない将来の変数が多すぎるので、guessing以上のものではない。何かをやり始めるずっと前に計画を立てるのではなく、やり始める直前にプランして、やりながら常に変更を加えるのが正解。
■「何の為に?」という根本的な問いをせずに、成長して規模が大きくなることが善であるという妄信を捨てるべし。sustainableでprofitableであることの方がずっと尊いはずである。
■When you don't know what you believe, everything becomes an argument. Everything is debatable. But when you stand for something, decisions are obvious.→会社のミッションや方針というのはそういうものでないとダメ。
■変化するものにフォーカスするのではなく、変わらないものにフォーカスしろ。
■競争環境や競合相手の動向に対して取り付かれた様に気を揉むのではなく、自分達にもっとフォーカスすべし。
■顧客の要望や不満は、自社の製品の特性やターゲット領域の観点から意味のある場合のみ対応する。
■情熱と優先順位を混同してはいけない。
等々...
これら以外にも、常識と異なるわけではないが、棘や毒のある表現ながら本質を突いている部分も多い。例えば、
・What you do is what matters, not what you think or say or plan....The most important thing is to begin.
・No time is no excuse. There's always enough time if you spend it right. ...When you want something bad enough, you make the time - regardless of your other obligations.
・不毛なコミュニケーション中毒(emails, instant messaging, etc)や中断から逃れて「独り時間」を確保することが生産性向上の秘訣。
最後に、本書の中で気に入った一節"You don't create a culture. It happens. ... Culture is the byproduct of consistent behavior. .... Culture is action, not words." まさにそうである。
blogはこちら
☆☆☆☆
4月下旬ころに読んだ本であるが、本書に寄せられている賛辞の中で次のものが、この本の内容を上手く表現している"The brilliance of REWORK is that it inspires you to rethink everything you thought you knew about strategy, customers, and getting things done. Read this provocative and instructive book—and then get busy reimagining what it means to lead, compete, and succeed."--William C. Taylor, Founding Editor of Fast Company and coauthor of MAVERICKS AT WORK
要は、世の中で常識だと受け入れられている多くの考え方とはことごとく異なる方法で、自らの会社を創業し経営している著者による、常識に対する挑戦状の書である。冒頭にも、「多くの人間が一般的に持っている"世の中(=real world)というのはこういうモノだ"という常識的な認識が存在するからと言って、自分がそれと同じ世界観の中で生きなければならない必要はない。"real worldではこうだ"などと言うのは多くの場合、自ら考え斬新なことを試してみようとしない言い訳に過ぎない。それは我々が多くの企業にとっての常識とは全く異なる方法で経営をしてきて、成功していることで証明している」という旨のことを述べている。例えば、著者の主張を幾つか紹介すると、
■「失敗から学ぶ」という考え方は過大評価されている。「同じ失敗を繰り返すまい」ということは学べても、「じゃあ、どうやれば次は成功するのか」ということは殆どの場合学べない。失敗は成功する為の前提条件ではないのだ。成功から学ぶ方が効果的に決まっている。
■Planning特に長期計画などというのは自らコントロールできない将来の変数が多すぎるので、guessing以上のものではない。何かをやり始めるずっと前に計画を立てるのではなく、やり始める直前にプランして、やりながら常に変更を加えるのが正解。
■「何の為に?」という根本的な問いをせずに、成長して規模が大きくなることが善であるという妄信を捨てるべし。sustainableでprofitableであることの方がずっと尊いはずである。
■When you don't know what you believe, everything becomes an argument. Everything is debatable. But when you stand for something, decisions are obvious.→会社のミッションや方針というのはそういうものでないとダメ。
■変化するものにフォーカスするのではなく、変わらないものにフォーカスしろ。
■競争環境や競合相手の動向に対して取り付かれた様に気を揉むのではなく、自分達にもっとフォーカスすべし。
■顧客の要望や不満は、自社の製品の特性やターゲット領域の観点から意味のある場合のみ対応する。
■情熱と優先順位を混同してはいけない。
等々...
これら以外にも、常識と異なるわけではないが、棘や毒のある表現ながら本質を突いている部分も多い。例えば、
・What you do is what matters, not what you think or say or plan....The most important thing is to begin.
・No time is no excuse. There's always enough time if you spend it right. ...When you want something bad enough, you make the time - regardless of your other obligations.
・不毛なコミュニケーション中毒(emails, instant messaging, etc)や中断から逃れて「独り時間」を確保することが生産性向上の秘訣。
最後に、本書の中で気に入った一節"You don't create a culture. It happens. ... Culture is the byproduct of consistent behavior. .... Culture is action, not words." まさにそうである。
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[Book Review]星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則
定石通りに忠実にやりきることから生じる強さ
☆☆☆☆
「教科書通りの戦略=定石」だけでは自社の優位性は生まれず、定石を知った上で、如何にそこに自社ならではの「ひとひねり」を加えられるか、が競争優位を生み出すうえで肝要、といった旨のことを説く本がある(例えば、以下の本。数年前に読んだ本なので内容の詳細は覚えていないが...)。
「そうだろうなぁ」と感じる。しかし実際には、100%基本を忠実に実行できているような立派な会社など在りはしない。即ち、教科書通りに定石を実行できている会社が殆ど存在しない中で、敢えて、徹底的に教科書通りの定石にこだわり、それを実践するというところが、星野リゾートの競争優位を形成しているのだと理解した。
ミッションやヴィジョンを正しく社員に周知徹底し、常にそれらに立ち返って諸施策を考える、ターゲット顧客を正しく設定する、社員が自発的に考え行動するしくみを構築する、といったひとつひとつの部分を忠実に教科書が説く通りに実行してきた様子が描写され、また、実際にどの教科書の教えを忠実に実行したのかが紹介されている。
併せて、この方法は、考え方を社員との間で共有する際に、ベースとなっている教科書を読んでもらう、勉強会をする、といった形での方法を採ることが非常に容易であるという点で、会社の諸施策を、その考え方まで含めて社員に浸透させ、且つ、同様のコンセプトや方法論を用いて社員が考え行動するような学習・成長の環境を醸成していく観点からも効果的だと感じた。
☆☆☆☆
「教科書通りの戦略=定石」だけでは自社の優位性は生まれず、定石を知った上で、如何にそこに自社ならではの「ひとひねり」を加えられるか、が競争優位を生み出すうえで肝要、といった旨のことを説く本がある(例えば、以下の本。数年前に読んだ本なので内容の詳細は覚えていないが...)。
「そうだろうなぁ」と感じる。しかし実際には、100%基本を忠実に実行できているような立派な会社など在りはしない。即ち、教科書通りに定石を実行できている会社が殆ど存在しない中で、敢えて、徹底的に教科書通りの定石にこだわり、それを実践するというところが、星野リゾートの競争優位を形成しているのだと理解した。
ミッションやヴィジョンを正しく社員に周知徹底し、常にそれらに立ち返って諸施策を考える、ターゲット顧客を正しく設定する、社員が自発的に考え行動するしくみを構築する、といったひとつひとつの部分を忠実に教科書が説く通りに実行してきた様子が描写され、また、実際にどの教科書の教えを忠実に実行したのかが紹介されている。
併せて、この方法は、考え方を社員との間で共有する際に、ベースとなっている教科書を読んでもらう、勉強会をする、といった形での方法を採ることが非常に容易であるという点で、会社の諸施策を、その考え方まで含めて社員に浸透させ、且つ、同様のコンセプトや方法論を用いて社員が考え行動するような学習・成長の環境を醸成していく観点からも効果的だと感じた。
Saturday, May 29, 2010
[Book Review] 「借金を返すと儲かるのか?」
簿記を勉強する前に読むべき本
☆☆☆
自分のような会計やファイナンスを職業としている者を対象に書いた本では無いことは知りつつ、そういう本を読むことからの発見もあるだろうと思いから手に取った。
著者が述べているB/SとP/Lを縦に合体させた「会計公式」という考え方は、まさに、自分が20年近く前に初めて会計を勉強し始めた頃に、簿記の無味乾燥さに嫌悪感を覚えつつも「要は、この場合はB/S, P/Lのこの部分が変動するんだな..」という形で使った方法を再現したような内容だった。自分としては、こういう形で入っていく方が、ずっと取っ付き易かったし、これは会計を真面目に勉強する人にとっても、大枠を理解するところから入れる優れた方法だと思う。これが解れば、あとは変動する部分の具体的勘定科目が何か?というのは簡単な話である。自分は簿記だけを会計から切り離して勉強するなどという退屈なことはできなかったし、しなかったが、仮にこれから簿記を勉強しようと思っている学習者も、簿記を勉強する前に、先ずはこの本を読むべきだと思う。
→会計を勉強しようと思っている方々へ
「簿記を勉強する前に、先ずはこの本を読むべきだと思う」と書いてみたものの、だからと言って会計を勉強したい方々には、この本を読んだ後に簿記をやるのが良いと勧めているのかといえば、私は全くそんなことは思っていない。
むしろ、簿記という会計の単なる道具を会計そのものから切り離して学習することに大した意味があるとは思えない。アメリカで会計を勉強したので日本の本は正直余り知らないが、会計を学習するなかでその一環として道具としての簿記を一緒に学ぶというのが知的好奇心を減退させずに学ぶ方法だと思う。その意味では、(私が持っているのは随分前の版だが)以下の本は考え方が説明されている点で優れていると思う。
日本では「分厚い教科書」ということになるのだろうが、こんな程度はアメリカの大学で、学部学生が学ぶ中級財務会計の標準的なテキスト(例えば↓は定番中の定番)
に比べれば、まったく大した分量ではない。
そういえば、2-3週間程前に職場のメンバーに、上記intermediate accountingのChapter 2 (財務会計の基本的コンセプト=conceptual framework)につき説明をした。以前のいくつもの職場でもそうであったが、会計のテクニカルな面を知っていても、そのベースにあるコンセプトを充分に理解している人が案外少ないと感じていたからである。それで事前に次の問題を出して考えてもらった。
【質問】
ある会計処理をするに際して、Aと Bの2つの方法があるとします。
あなたは、どのように評価して、どちらを選びますか?
質問はたったこれだけです。因みに、
「”ある会計処理”って何の会計処理なんですか?」とか、
「AとBと2つの方法って具体的にどんな方法なんですか?」
…といった質問をしたくなるかもしれませんが、それはirrelevant (関係ない)です。
上記Kieso Intermediate AccountingのCh.2を読めば解りますし、財務会計の基本コンセプトが解っている人なら即答できるはずです。会計の質問というよりは、「frameworkっているのは、どうやって使うのか?」という話。
更にbusiness schoolとかで会計理論の勉強をすると(私がしたのは10年以上も前の話だが)、特に米国会計の場合は、financeや経済学といかに密接に繋がっているか、といのが良く解る。例えば、当時のクラスで使ったのテキストの一つが、下記のものだった(実際には数版前のもの)。
こういうのを読んで議論をする為には、上記のconceptual frameworkを良く理解していないと、もうお話にならないのである。そのようにして会計を学習してきた私は、完全に米国びいきであるが故にか、「道具である簿記を本体の会計から切り離して勉強してどうすんだよ、まったく!」という思いが非常に強いのです。
☆☆☆
自分のような会計やファイナンスを職業としている者を対象に書いた本では無いことは知りつつ、そういう本を読むことからの発見もあるだろうと思いから手に取った。
著者が述べているB/SとP/Lを縦に合体させた「会計公式」という考え方は、まさに、自分が20年近く前に初めて会計を勉強し始めた頃に、簿記の無味乾燥さに嫌悪感を覚えつつも「要は、この場合はB/S, P/Lのこの部分が変動するんだな..」という形で使った方法を再現したような内容だった。自分としては、こういう形で入っていく方が、ずっと取っ付き易かったし、これは会計を真面目に勉強する人にとっても、大枠を理解するところから入れる優れた方法だと思う。これが解れば、あとは変動する部分の具体的勘定科目が何か?というのは簡単な話である。自分は簿記だけを会計から切り離して勉強するなどという退屈なことはできなかったし、しなかったが、仮にこれから簿記を勉強しようと思っている学習者も、簿記を勉強する前に、先ずはこの本を読むべきだと思う。
→会計を勉強しようと思っている方々へ
「簿記を勉強する前に、先ずはこの本を読むべきだと思う」と書いてみたものの、だからと言って会計を勉強したい方々には、この本を読んだ後に簿記をやるのが良いと勧めているのかといえば、私は全くそんなことは思っていない。
むしろ、簿記という会計の単なる道具を会計そのものから切り離して学習することに大した意味があるとは思えない。アメリカで会計を勉強したので日本の本は正直余り知らないが、会計を学習するなかでその一環として道具としての簿記を一緒に学ぶというのが知的好奇心を減退させずに学ぶ方法だと思う。その意味では、(私が持っているのは随分前の版だが)以下の本は考え方が説明されている点で優れていると思う。
日本では「分厚い教科書」ということになるのだろうが、こんな程度はアメリカの大学で、学部学生が学ぶ中級財務会計の標準的なテキスト(例えば↓は定番中の定番)
に比べれば、まったく大した分量ではない。
そういえば、2-3週間程前に職場のメンバーに、上記intermediate accountingのChapter 2 (財務会計の基本的コンセプト=conceptual framework)につき説明をした。以前のいくつもの職場でもそうであったが、会計のテクニカルな面を知っていても、そのベースにあるコンセプトを充分に理解している人が案外少ないと感じていたからである。それで事前に次の問題を出して考えてもらった。
【質問】
ある会計処理をするに際して、Aと Bの2つの方法があるとします。
あなたは、どのように評価して、どちらを選びますか?
質問はたったこれだけです。因みに、
「”ある会計処理”って何の会計処理なんですか?」とか、
「AとBと2つの方法って具体的にどんな方法なんですか?」
…といった質問をしたくなるかもしれませんが、それはirrelevant (関係ない)です。
上記Kieso Intermediate AccountingのCh.2を読めば解りますし、財務会計の基本コンセプトが解っている人なら即答できるはずです。会計の質問というよりは、「frameworkっているのは、どうやって使うのか?」という話。
更にbusiness schoolとかで会計理論の勉強をすると(私がしたのは10年以上も前の話だが)、特に米国会計の場合は、financeや経済学といかに密接に繋がっているか、といのが良く解る。例えば、当時のクラスで使ったのテキストの一つが、下記のものだった(実際には数版前のもの)。
こういうのを読んで議論をする為には、上記のconceptual frameworkを良く理解していないと、もうお話にならないのである。そのようにして会計を学習してきた私は、完全に米国びいきであるが故にか、「道具である簿記を本体の会計から切り離して勉強してどうすんだよ、まったく!」という思いが非常に強いのです。
Sunday, May 23, 2010
[Book Review] The 80/20 Principle: The Secret of Achieving More with Less
企業の諸施策、個々人の業務、パーソナル・ライフのあらゆる面にパレートの法則を適用する
☆☆☆☆
製品の売り方、顧客管理、マーケティング施策等から、個人の仕事のやり方から、パーソナルな時間の使い方に至るまで、片っ端から80/20の法則を適用して「80%の結果を生み出している20%の活動にフォーカスする」ことを説いている。要は選択と集中に関する内容。10年程前に出版されたもののrevised版である。
特に興味深いのは「タイムマネジメントなどクソ食らえ」という部分である。即ち、「タイムマネジメントは80/20の法則を適用して、やるべきことと捨てるべき事を明確に峻別しない状態のまま、全体の生産性を上げようとしているところに、根本的な間違いがある」ということで、Don't try to manage time, but revolutionize time and multiply the 20% of your time that produces 80% of results.という感じである。確かに、これは正鵠を得ており、どこかで「どんなに忙しくても、本当に自分にとって最重要なことに費やす時間が不足することなどない」といった趣旨の言葉を読んだことがある。即ち、人間は忙しさが増すと、自分にとって重要度・優先順位の低い事柄から順に「斬り捨てる、無視する、わざとやらない、後回しにする」といった行動をとるはずであり、自分にとって最重要なことに費やす時間も無いようであれば、それは、そもそも自分の優先順位付けそのものが、何か大きく間違っている、ということなのだろう。
因みに、本書は下記の本を読んでいた際に推薦図書として挙がっていので読んだ。
↑この本は80/20 principleを個人の生き方・生活大改造の為に最大限に活かしている画期的な本である。自分がインパクトを与えることができる活動を最大限にする為に、20%の結果しか生まないが80%の時間・労力をかけている活動は大胆に止めてしまうか、或いは「他人の時間」を使ってやる、といったことも提唱している。例えば、自らの日常の事務的な雑事で且つリモートでできることを、どこかの国の人に個人秘書業務を御願いするとか、である。既に企業は製造・サービス・研究開発等あらゆる面でインド・中国・その他の国々への大々的なアウトソーシングという形でこれをやっている訳である。ならば個人レベルでやれない理由も無いということである。
更に、80/20の法則が底流にあるという意味で、上記の本と一部類似の視点があり秀逸なものがコレ↓である。
人類の歴史は自給自足で、衣食住の全てを自分達でやることから、衣料はお店で買い、他人が建設した家やマンションを買って住み、食料はスーパーマーケットで調達したり、外食したり、と多くを他人から調達する(アウトソース)方向に動いてきた。即ち他人の時間を買っている訳である。他人の時間を買うことで、自らは代替性の効かない、独創性と付加価値の高い業務にシフトしていくということである。これはごく一部であるが、他にも仕事のやり方、情報収集の仕方、時間の使い方等々で素晴らしい着眼点満載である。
同じ著者の↓コレもお買い得な内容。
共感したポイントを一部挙げると、
・アウトプットを想定しないインプットはしない
・アウトプットというのは説得力のこと
・本を読んだ後に付箋を貼ったところ、線を引いた箇所等をサッとおさらいする「黄金の5分間」の重要性
・選択の余地の無い「締切効果」で生産性を数倍上げる(30時間かかっていたものを25時間で仕上げるのではなく、3時間で仕上げるには、単なるスピードアップではなく「やり方そのもの」を変革する必要がある)
等々。
☆☆☆☆
製品の売り方、顧客管理、マーケティング施策等から、個人の仕事のやり方から、パーソナルな時間の使い方に至るまで、片っ端から80/20の法則を適用して「80%の結果を生み出している20%の活動にフォーカスする」ことを説いている。要は選択と集中に関する内容。10年程前に出版されたもののrevised版である。
特に興味深いのは「タイムマネジメントなどクソ食らえ」という部分である。即ち、「タイムマネジメントは80/20の法則を適用して、やるべきことと捨てるべき事を明確に峻別しない状態のまま、全体の生産性を上げようとしているところに、根本的な間違いがある」ということで、Don't try to manage time, but revolutionize time and multiply the 20% of your time that produces 80% of results.という感じである。確かに、これは正鵠を得ており、どこかで「どんなに忙しくても、本当に自分にとって最重要なことに費やす時間が不足することなどない」といった趣旨の言葉を読んだことがある。即ち、人間は忙しさが増すと、自分にとって重要度・優先順位の低い事柄から順に「斬り捨てる、無視する、わざとやらない、後回しにする」といった行動をとるはずであり、自分にとって最重要なことに費やす時間も無いようであれば、それは、そもそも自分の優先順位付けそのものが、何か大きく間違っている、ということなのだろう。
因みに、本書は下記の本を読んでいた際に推薦図書として挙がっていので読んだ。
↑この本は80/20 principleを個人の生き方・生活大改造の為に最大限に活かしている画期的な本である。自分がインパクトを与えることができる活動を最大限にする為に、20%の結果しか生まないが80%の時間・労力をかけている活動は大胆に止めてしまうか、或いは「他人の時間」を使ってやる、といったことも提唱している。例えば、自らの日常の事務的な雑事で且つリモートでできることを、どこかの国の人に個人秘書業務を御願いするとか、である。既に企業は製造・サービス・研究開発等あらゆる面でインド・中国・その他の国々への大々的なアウトソーシングという形でこれをやっている訳である。ならば個人レベルでやれない理由も無いということである。
更に、80/20の法則が底流にあるという意味で、上記の本と一部類似の視点があり秀逸なものがコレ↓である。
人類の歴史は自給自足で、衣食住の全てを自分達でやることから、衣料はお店で買い、他人が建設した家やマンションを買って住み、食料はスーパーマーケットで調達したり、外食したり、と多くを他人から調達する(アウトソース)方向に動いてきた。即ち他人の時間を買っている訳である。他人の時間を買うことで、自らは代替性の効かない、独創性と付加価値の高い業務にシフトしていくということである。これはごく一部であるが、他にも仕事のやり方、情報収集の仕方、時間の使い方等々で素晴らしい着眼点満載である。
同じ著者の↓コレもお買い得な内容。
共感したポイントを一部挙げると、
・アウトプットを想定しないインプットはしない
・アウトプットというのは説得力のこと
・本を読んだ後に付箋を貼ったところ、線を引いた箇所等をサッとおさらいする「黄金の5分間」の重要性
・選択の余地の無い「締切効果」で生産性を数倍上げる(30時間かかっていたものを25時間で仕上げるのではなく、3時間で仕上げるには、単なるスピードアップではなく「やり方そのもの」を変革する必要がある)
等々。
Saturday, May 15, 2010
Simon Sinek: How great leaders inspire action | Video on TED.com
Simon Sinek: How great leaders inspire action | Video on TED.com
上記のspeechで一部紹介している内容を、一冊の本として論じたのがこれ↓
まだ読み始めたばかりなので、感想は後で...。
上記のspeechで一部紹介している内容を、一冊の本として論じたのがこれ↓
まだ読み始めたばかりなので、感想は後で...。
Sunday, April 18, 2010
[Book Review]考える・まとめる・表現する―アメリカ式「主張の技術」
☆☆☆☆☆
これは役に立つ、というか「英語で理解されるように考えて書く」為のツールと考え方を、解り易く形でパッケージにした素晴らしい本である。そういえば、昔交換留学した際にEnglish Compositionとかのクラスでやったし、大学院留学の際にも↓この本(当時は初版だった)を買って準備したことを思い出した。
あるいは、近年手に取ってみたテキストでは、↓これも良いと思う。
しかし、こういう内容が、これだけコンパクトに纏まっている本にはお目にかかったことがなかった。エッセイを書く際のthesis statement, それをサポートする各argumentのtopic sentence, テーマの主張ををrecapする形でのconclusionといった三角形のエッセイ・ピラミッドの考え方は、著者の言うように、単に論文を書く為だけでなく、スピーチを聞く時や読書をする際にも、内容を素早く整理して理解するには、とても使えそうである。自分の子供がアメリカで小学校に行っていた頃のshow and tellやマインドマップを使った纏め方等々を思い出してもそうであるが、著者が言うように、これってアメリカ式「主張の技術」の根幹を成すものなのだと思う。
一方、自らを振り返ってみれば、勤務先のglobalベースでのleadership研修などに行くと、(英語力の壁は勿論あるのだが)特に多数の参加者での議論になった際に、相手の発言内容を素早く理解し、自分の言いたいことを素早く整理して返したり、brain stormingや小グループに分かれての議論の結果を発表したりといった際に、圧倒的な彼我の訓練の差を思い知らされ、世界を舞台に議論し発信していくことに絶望感を覚えて帰国するということを何度も経験してきたが、そういう部分も、日ごろから、こういった英語の思考・主張の技術を、ものを書くときのみならず、読書したり議論する際にも、もっと意識的に使っていくことで少しは上達するのであろうという希望も湧いてくる。
因みに著者はKids' SpaceというNPOを主催しておられる方である。
Friday, March 26, 2010
[Book Review] Diary of a Hedge Fund Manager: From the Top, to the Bottom, and Back Again
"Being right early is called being wrong"
☆☆☆
投資銀行とヘッジファンド数社での経験を通じて、新たに独自のマクロ視点での投資調査会社Research Edge(現在はHedgeyeに社名変更)を立ち上げた著者が、カナダのオンタリオ州に生まれアイスホッケーに明け暮れた自らの生い立ちからヘッジファンドでの日々、そして最後に2007年秋に解雇となった経緯をその世界に身を置いた者として内側から語ったもの。投資銀行及びヘッジファンド内での group thinkがバブル末期を煽っていった状況や、特にヘッジファンドでの最後の数ヶ月は、著者自らの投資に対する見方・判断からマーケットのクラッシュは近いと主張したことに対する、周囲の強気筋からの変人扱いや蔑み、そして、予測のタイミングが若干早過ぎたこともあり、短期的にはトレーディングのパフォーマンスが出ずに解雇に繋がった経緯、そして、その後も独自の視点や判断をベースに情報を発信し続け、やがて投資調査会社の立ち上げ、マーケット暴落を予測する様子を描いている。また、そうした経験を通じて、他人とは異なる独自の視点を持つことが如何に大切かを語っている。
10年程前にアメリカの投資関連か何かのTVコマーシャで、テニス・プレーヤーが相手のサーブが打ち込まれてから数秒後に(既にボールは自分の横を過ぎ去った暫く後に)、完璧に美しいフォームで相手のサーブを打ち返すようにラケットを振るシーンが映し出され、そこにTiming is everythingというナレーションが入るというものがあった。アメリカが住宅バブルの状況にあることは、1980年代後半の不動産バブルを経験した日本人の眼には2000年代の前半には明らかであったと思うし、それが「いつか」崩壊するであろうことも見通していたと思うが、「いつかそのうち」ではなく「具体的にいつ」かが当たらないとカネにはならない。即ちTiming is everythingであり本書にもあるBeing right early is called being wrongということである。
☆☆☆
投資銀行とヘッジファンド数社での経験を通じて、新たに独自のマクロ視点での投資調査会社Research Edge(現在はHedgeyeに社名変更)を立ち上げた著者が、カナダのオンタリオ州に生まれアイスホッケーに明け暮れた自らの生い立ちからヘッジファンドでの日々、そして最後に2007年秋に解雇となった経緯をその世界に身を置いた者として内側から語ったもの。投資銀行及びヘッジファンド内での group thinkがバブル末期を煽っていった状況や、特にヘッジファンドでの最後の数ヶ月は、著者自らの投資に対する見方・判断からマーケットのクラッシュは近いと主張したことに対する、周囲の強気筋からの変人扱いや蔑み、そして、予測のタイミングが若干早過ぎたこともあり、短期的にはトレーディングのパフォーマンスが出ずに解雇に繋がった経緯、そして、その後も独自の視点や判断をベースに情報を発信し続け、やがて投資調査会社の立ち上げ、マーケット暴落を予測する様子を描いている。また、そうした経験を通じて、他人とは異なる独自の視点を持つことが如何に大切かを語っている。
10年程前にアメリカの投資関連か何かのTVコマーシャで、テニス・プレーヤーが相手のサーブが打ち込まれてから数秒後に(既にボールは自分の横を過ぎ去った暫く後に)、完璧に美しいフォームで相手のサーブを打ち返すようにラケットを振るシーンが映し出され、そこにTiming is everythingというナレーションが入るというものがあった。アメリカが住宅バブルの状況にあることは、1980年代後半の不動産バブルを経験した日本人の眼には2000年代の前半には明らかであったと思うし、それが「いつか」崩壊するであろうことも見通していたと思うが、「いつかそのうち」ではなく「具体的にいつ」かが当たらないとカネにはならない。即ちTiming is everythingであり本書にもあるBeing right early is called being wrongということである。
Sunday, March 21, 2010
[Book Review] 「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)
☆☆☆
全般的には、なかなか為になる本であるが、一点気になったのが、本書の冒頭部分(pp.31-32)で著者はDruckerを引き合いに出しながらも、「利益を出すことが事業の目的ではなく条件である」ということが、「社会貢献」にどうやって結びついているのかを、必ずしも上手く説明していない。
「利益を出すことは目的ではなく事業存続の為の必要条件である」というのは資本主義の論理的帰結であると思う。事業成功の尺度(return)をP/L上の利益で捉えようがcashflowsで捉えようが(長期的には両者のレベルは収斂する)、returnが出ていないということは、投資に対して見返りが無いということであり、(道路や通信インフラといった公共財等の場合を除けば)そのような投資は社会全体で見れば資源の無駄使い(社会に貢献していない)ということになる。そしてreturnの出ていない事業への投資はreturnが出ている投資に再配分されるべきなはず。そういう意味で儲かっていない事業には存在意義はないのである。とても明々白々なことだと思うが....。
Peter Druckerも著書“Management”の”6. What Is a Business?”という章で以下のように述べている。
Profit and profitability are, however, crucial – for society even more than for the individual business. Yet profitability is not the purpose of but a limiting factor on business enterprise and business activity. Profit is not the explanation, cause, or rationale on business behavior and business decisions, but the test of their validity. …….….Actually, a company can make a social contribution only if it is highly profitable…..
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