Sunday, April 15, 2007

Fooled by Randomness: The Hidden Role of Chance in Life and in the Markets

トレーディングの経験と広範な分野の幅広い知識をを縦横無尽に駆使した「奇知」の凝縮



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これ程奥深く幅広い知識と経験を縦横無尽に散りばめた「奇知」に富む本には、そう滅多には出合えないのではないか、というのが正直な感想である。哲学者カール・ポパーに心酔する現役トレーダーが、自らの経験・確率論・哲学・経済学・心理学・古典等々の引き出しから次々と材料を取り出して、 Randomnessを軸に持論を展開していく。また、一般に重要だと思われているニュースや「情報」が、トレーディングの観点からは、如何に意味の無い単なる「ノイズ」であるかを説得力ある形で述べている。議論が広範に及ぶ為、浅薄な自分には理解の及ばない部分も多くあると思うが、とにかく常識に囚われない視点が新鮮且つユニークであり、確率やリスクに関して、今までとは全く異なる視点が得られた。新著”Black Swan”の発売が間もなくであるが楽しみである。