Sunday, April 18, 2010

[Book Review]考える・まとめる・表現する―アメリカ式「主張の技術」



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これは役に立つ、というか「英語で理解されるように考えて書く」為のツールと考え方を、解り易く形でパッケージにした素晴らしい本である。そういえば、昔交換留学した際にEnglish Compositionとかのクラスでやったし、大学院留学の際にも↓この本(当時は初版だった)を買って準備したことを思い出した。


あるいは、近年手に取ってみたテキストでは、↓これも良いと思う。


しかし、こういう内容が、これだけコンパクトに纏まっている本にはお目にかかったことがなかった。エッセイを書く際のthesis statement, それをサポートする各argumentのtopic sentence, テーマの主張ををrecapする形でのconclusionといった三角形のエッセイ・ピラミッドの考え方は、著者の言うように、単に論文を書く為だけでなく、スピーチを聞く時や読書をする際にも、内容を素早く整理して理解するには、とても使えそうである。自分の子供がアメリカで小学校に行っていた頃のshow and tellやマインドマップを使った纏め方等々を思い出してもそうであるが、著者が言うように、これってアメリカ式「主張の技術」の根幹を成すものなのだと思う。
一方、自らを振り返ってみれば、勤務先のglobalベースでのleadership研修などに行くと、(英語力の壁は勿論あるのだが)特に多数の参加者での議論になった際に、相手の発言内容を素早く理解し、自分の言いたいことを素早く整理して返したり、brain stormingや小グループに分かれての議論の結果を発表したりといった際に、圧倒的な彼我の訓練の差を思い知らされ、世界を舞台に議論し発信していくことに絶望感を覚えて帰国するということを何度も経験してきたが、そういう部分も、日ごろから、こういった英語の思考・主張の技術を、ものを書くときのみならず、読書したり議論する際にも、もっと意識的に使っていくことで少しは上達するのであろうという希望も湧いてくる。
因みに著者はKids' SpaceというNPOを主催しておられる方である。