Sunday, May 27, 2007

[Book Review] The Five Dysfunctions of a Team: A Leadership Fable

チームワークを機能させる5つの要因



☆☆☆☆

ストーリー形式で、マネジメントはどうすればチームワークが機能するようにリーダーシップを発揮し得るのか、を説いた本。チームワークが機能不全を起こす現象を下記の5つの要因から述べている。具体的には、自らの弱みも含めてオープンに他のマネジメント・チームのメンバーとシェアできるような信頼感が醸成されないと(1. Absence of Trust)、マネジメント・チームはコンフリクトを回避するようになり(2. Fear of Conflict)、率直で建設的な議論は生まれない。そのような環境では議論を尽くした上でのbuy-inは望むべくも無いので、コミットメントも生まず(3. Lack of Commitment)、それ故に、各人が責任を全うするという環境に至らず(4. Avoidance of Accountability)、「結果」を追求するということに対して十分なアテンションが向かない(5. Inattention to Results)ということを説いている。但し、最後のInattention to Resultsの部分については、著者は「個々人の目標等は考えずに、チームの目標を優先させて」云々というトーンが強調されているように感じるが、実際には、チームの目標と個人のキャリア・プランが合致するような環境を考えるという視点もmotivationの観点からは必要だと思う。
本書pp.188-190の纏めを先に読んでからストーリーを追っていくのも効果的な読み方かもしれない。また、蛇足ではあるが、英語の言い回しや微妙な感情の表現方法を学べる本でもある。